投資信託とETFの落とし穴
你好!リュービさんじゃ!
全ての投資手法には一長一短がある。したがって投資手法はメリットとデメリットをしっかりと理解した上で選択されるべきである。
今回朕は投資信託とETFに潜む見落としがちなリスクやデメリットについて説明いたす。あまりに一般的すぎるものなどについては詳しく説明しないので悪しからず。
そして、当記事は投資信託やETFへの投資を批判するものではござらぬ。
あくまで見落としがちなリスクを列挙し皆様と共に学ぶためのものでござる。
見落としがちなリスク
長期保有に起因するリスク
投資信託やETFは様々な銘柄を組み込んでおる。各銘柄の下落ショックが軽減される一方で、基本的には長期で投資を行わないと満足な利益は得られない。
投資にはデイトレードから長期投資まで様々な時間軸があるが、投資期間が長期になればなるほど将来の不確実性が上昇することは言うまでもない。
投資期間が長くなればなるほどリスクが増大するというのは、様々な研究結果から既知の事実でござる。
以下投資期間が長くなることに起因するリスクについて説明していくぞよ。
利益を消し去る暴落による精神的リスク
当然ではあるが、投資期間が長くなればなるほど暴落を経験する確率は高くなる。
以下のチャートを見てほしい。
こちらはインフレ調整済みのチャートである(出所:
S&P 500 Index - 90 Year Historical Chart | MacroTrends)。
グレーのところがいわゆる景気後退のシーンである。
大小あれども、これだけの景気後退が起こっていたということに気付かされる。
例えば1950年代に株を購入して保有していた場合、1970年代後半~1980年代前半で一度大きな下落を迎えていたことがわかる。
このように、30年間保有し続けて築き上げた利益がまるで無かったかのように吹き飛んでしまうということが株式投資の世界では起こり得るのだ。もしその30年間で積み立て購入を行ってきたというのであれば、さらに損失は膨らんでいたじゃろう。
結果的には、その下落相場を越えた後株価は上昇していったのだが、、、、
もしあなたが当時株を買っていたら、保有し続けることができただろうか。
あとでバイアスについては簡単に触れるが、過去のチャートをみて「私だったら一度決めたら最後、死ぬまで持ち続けていただろう」というのは浅はかである。
我々は今未来にいて、彼らにとっての未来を知っているからそんなことが言えるのである。いわゆる後知恵バイアスじゃ。
実際の相場では未来のことは誰にもわからず、下落相場の度にとてつもない不安とストレスに襲われる。あなたはそれでも保有し続けられるのか?何より幸福を保てるのか?
長期投資に必要なコストは投資対象の購入資金だけではなく、あなたの精神的健康も一種の代償(コスト)に成り得るということをご理解いただきたい。
投資資金回収時期と市場の動きのミスマッチリスク
皆さんはあと何年投資を行い、いつそのお金を使うのか、何のために投資を行うのかについて真剣に考えたことはあるじゃろうか。
どんなに右肩上がりの投資対象でも直線的に上昇し続けることはない。
皆さんが数十年間頑張って投資を行っていても、投資資金を回収し使う頃に株価の下落が起こると、目減りした資金しか受け取れない。
こちらは朕がまとめた過去およそ30年の株価とドル円の比較である。
株価の波ももちろんあるがドルの値動きも気になるところじゃ。
投資は利確までが投資である。
もちろん投資資金を切り崩しながら生計を立てていくという方法もあるが、リセッションは複数年にわたって続くこともある。
本当にお金が必要な時に株価の下落やドルの下落が起こると、せっかく長期にわたって貯め込んだ利益も目減りしてしまう。お金が必要な時にちょうど資産価値も下落シーンを迎えてしまう可能性があるということも一つのリスクとして知っておくべきじゃ。
分散投資に起因するリスク
分散投資は長期投資との相性がよく、非常に優れた投資手法であることがわかっている。投資信託やETFはいわば人任せの分散投資である。自分で一つ一つの銘柄を購入したり保有比率のバランスを調節したりせずとも、数百の銘柄に対して効率的に投資することができる。
しかし、分散投資にもデメリットはあるのじゃ。以下説明いたす。
投資内容を把握できないリスク
まず一つはこれじゃろう。
数十から数百の銘柄に対して投資を行う投資信託やETFでは、それらが投資している個々の銘柄情報を我々個人が把握するのは不可能に近い。
各銘柄の管理や保有比率の調整は、ファンドのマネージャーたちが行ってくれているというわけじゃ。その分我々は信託報酬という形で手数料を払っておる。
一見安い金額でポートフォリオの中身まで管理してくれるというメリットに目が行きがちじゃが、我々が中身を把握できていないということは物凄いリスクなのじゃ。
※実際には目論見書などを見ることで中身を把握することも可能ですが、投資対象が多すぎて実質的に不可能ということです。
投資信託では、我々が知らないうちに本来であれば投資対象から外すべきものも含まれてしまっている可能性がある。
またそのような「失敗」に気付けないで放置していると手放し時を逃して、保有している投資信託の解体やETFの上場廃止などのような事態に陥りかねない。
そういった意味では、もし分散投資を目的にするのであれば、投資信託よりインデックス投資が基本のETFの方が長期放置投資には向いていると言えるかもしれぬの。
利小損大になるリスク
こちらは考え方次第なので手短に説明いたす。
上で参照したS&Pのグラフの通り、株式市場は下落するときは投資家が株式市場から資金を一気に引くので、全体が血の気を引いたかのように一斉に下落する。
対して株式市場に資金が集まる状況では偏りはあるとは言え、数千の銘柄に分散されるので意外とETFや投資信託でカバーしているグループが上がらないことも多い。
ETFや投資信託などの分散投資はリスクをある程度分散できるというメリットもある一方で利益も分散される。
投資信託やETFを投資の主体としていることで、本来は特定のセクターを集中して攻めることで多大な利益を得られるようなシーンでも攻めることができない可能性がある。
下げるときは全セクターが下げ、一部のセクターが上昇しているときにはそのセクターのみが上昇するという傾向があるため、売買のタイミングによっては利小損大に陥ることもあるということを認識しておきたい。
バイアスリスク(思い込みリスク)
バイアスについては次回個別に記事を書きたいぐらいである。バイアスとは思い込みや偏った思考のことで、しっかりと勉強すると我々が普段からどれほど物事を偏った見方でとらえているのがわかる。
自らの思考や精神を理解しコントロールすることは、投資家にとって何よりも大切なことじゃ。
本当はすべて紹介したいのじゃが、今回はETFや投資信託に投資する際に陥りやすいバイアスについてのみ手短に説明いたす。
何の根拠もなく思い込みで投資を行うことは大きなリスクじゃ。これを機会に是非自らの心理状態を見直していただきたい。
同調バイアス
同調バイアスとはしばしば多数派同調バイアスともいわれるバイアスで、多数派や周りの意見にとりあえず合わせてしまう心理状態のことじゃ。
多数派の意見に従うというのは集団で身を守るという生物としての防衛本能である。
しかし、災害時などには命取りになることもある。
火事などの時に「周りが逃げていないから自分も大丈夫だろう」などという考えで逃げ遅れてしまう例などはまさに同調バイアスの負の側面が出てしまったケースである。
株式市場も同じで、何も考えずに多数派の意見に従ってしまうことはよくあることである。
リスクや原理も知らずに「ETFが流行っているから自分もやってみよう」や「〇〇さんがおススメしている銘柄だから」といった理由で株式投資を行っている方は今一度考えなおしてほしい。
プロジェクションバイアス
プロジェクションバイアスとは現時点での感情や状況を基準に未来のことを判断してしまうような心理状態のことを言う。プロジェクションはしばしば「投影」と翻訳されるが、まさに今の状態を未来に投影して物事を判断してしまうことというわけじゃ。
現在米国株は上昇を続けておる。しかし、この好調が今後も続くとは限らない。
もし「これまでのリターンがこれまでも続くだろう」という期待感だけで投資信託やETFを買っている者は非常に危険じゃ。
しっかりと客観的な売買の根拠を見つけるのじゃ。
後知恵バイアス
特にインデックス系のファンドに投資している者にこの考え方をしてしまうものが多い。
後知恵バイアスで一番わかりやすいのは「米国市場は過去○○年間、平均で○○%上昇している。つまり19○○年に買っていたとしたら、あなたの資産は○○倍になっていた」というアレじゃ。
実際には当時の者には未来がどうなるかわからなかったはずじゃ。
このように何か物事が起こった後に、まるで自分が予言をしたかのように振舞ってしまう心理状態のことを後知恵バイアスという。
ニュースで事件の犯人が発表された時に、「そうだと思ってたんだよな」とつぶやく系の者は要注意じゃ(朕も含めて)。
正常性バイアス
正常性バイアスとは自分に都合の良い情報ばかり集めてしまう心理状態のことじゃ。
災害時などに「自分だけは大丈夫」と思って被害にあってしまうのも、まさにこれじゃ。
株式投資においても自分に都合の良い情報ばかり集めてしまうことで本来は認識しておかねばならぬリスクなどを見落としてしまうことがある。
朕が今回の記事を書いている目的も皆さんに正と負の両側面を見ることをクセづけてほしいからなのじゃ。
投資信託やETFは最近誰にでもできる投資対象として流行しており、ツイッターなどでは都合の良い情報しか流れておらぬ。負の情報を意識できていない者は今一度、デメリットやリスクについて説明する情報の取得を心がけていただきたい。
その他一般的なリスク
ここまでは朕が皆が見落としがちかな?と思うリスクを紹介してきた。
しかし、最近は新た市場に参入する者も増えてきていて、意外と基本的な事項も見落としがちである。
最後に簡単に一般的なリスクを手短に紹介する。
価格乖離リスク
こちらは対象指数などとの連動を目指すファンドにおけるリスクじゃ。
例えば配当落ち、信託報酬、海外での課税、分配金、資産額評価基準の相違などなど、、、
指標のチャートと必ずしも同じ動きをするとは限らぬ。
個人的にはそこまで気にしなくて良いように思うのじゃが、米国市場の平均リターンなどを見て自分のファンドも綺麗に追随するだろうと考えている者は少し注意が必要かもの。
上場廃止・解体リスク
ETFの本場米国では毎年100ぐらいのETFが上場廃止になっておることを知っておったじゃろうか。
日本の投資信託に関してはあまり解体という話を聞かぬが、可能性としては念頭に置いておくべきじゃ。
ETFが上場廃止になると、基本的にはできるだけ高く手放したい投資家が一気に売りを入れるので暴落する。そのあとのペイアウトも様々なコストを支払った残りになるらしく(朕は詳しく知りません)、資産の目減りは必至じゃのう。
自分の保有しているETFが上場廃止になりそうかどうかなどはETF.comというサイトで診断を見れるので活用してみると良いかもの。
とはいえ日本の証券会社はある程度流動性や資産性のあるものしか取り扱わないことが多いので、皆の衆はあまり心配しなくてもよいのかもしれぬ。
あくまでご参考に。
負の情報を認識するということ
朕がこの記事を通して皆に伝えたかったのは、良い情報だけではなく悪い情報にも目を通すことの大切さである。
最近様々なメディアで米国株最強説やインデックス投資の凄さなどが取り上げられ、ポジティブな面だけを見て投資を行うものが増えたような気がしておる。
自分にとって都合の良い情報は意識せずとも自然と入ってくるので、常に自分の考えや投資対象を批判するような情報を集め続けるべきである。
朕は現時点では投資信託やETFには一切手を出しておらず、これらの投資に関してはあまり経験と知識がない。なので今回の記事のレベルはかなり低かったかもしれぬ。
しかし、是非今一度これを機会に自らの心理状態や投資方針を見直し、さらなる飛躍を目指してただきたい。
以上!!
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今年は本日で終わりじゃが、来年に向けて改めて自らを戒めましょう。
本日も謝謝!!